ソルフェージュって何だろう?

 

 

こんにちは。須藤です。

 

実は、先月東京藝術大学大学院の試験を受けておりまして、実技以外の科目でとても恥ずかしい点数を取り、無事に落とされてしまったのですが(結果発表から2週間空いて、ようやく現世に復帰致しました。)(不合格記念見舞いに、親に語学勉強用のラジオを買ってもらいました。)

試験後に行った猫カフェにて。可愛い、、

 

私が受けていた科は、音楽文化学のソルフェージュ専攻という科。

今年の夏は「まさか、23歳にもなって、ソルフェージュを本気で取り組むことになるとは。」と思いながら、やればやるほど出来なくなる初見課題やら、歌っているうちに何記号の何の音なのかがわからなくなるクレ読み新曲視唱やら、悪ふざけのような聴音課題をしつつ、ピアノを弾いたり、他の勉強に取り組んだり、と行った具合の日々を、魚屋で売られている鮮度の悪い魚のような眼をしながら送っていました。いやあ、大学生活1の青春の日々でした。(?)

 

ソルフェージュ科を受けるには、それなりの理由がいくつかあるのですが、その中でも最も大きな志望動機としては

「ソルフェージュって何だろう?」という疑問を抱いたからでした。

 

 

このブログを読んでくださっている皆さんはどのようなことを思い浮かべますか?

やっぱり、聴音や新曲視唱、リズム課題、スコアリーディングといった課題でしょうか?

 

では、なぜそのような課題を私たちは取り組む必要があるのでしょうか?

演奏のため?楽譜を読むため?

 

 

…これらの課題を「それを取り組むことで、どのような目的のために取り組むのか」ということを、何と無く「このためかな〜」と考えることが出来ても、そのことについて深く深く考え抜く人は恐らく多くはないのではでしょうか。

 

私は試験のため(小論文が課せられていたので)、ソルフェージュについての歴史や、教育法などについて知る必要があり、それらについて調べてきたのですが、

ソルフェージュ能力は音楽表現を追求するために必要である、という何ともありきたりな結論にたどり着きました。こういうのを、一周回った というのでしょうね。

 

例えば、ハンガリーの音楽家のコダーイは、

「声楽にしても、器楽にしても、それを勉強す るためには、教育のある大人が書物を黙読するように、 楽譜も黙って、しかしその響きを心の中で充分に理解 しながら読むことが出来るようになるまで、ソルフェ ージュの勉強は続けられなければならない。」 と述べ、

また、「音楽は、語学のように、読む・書く・聞くがすらすらとできるようになる必要がある。」として、楽器を習う前の段階での音楽教育、すなわちソルフェージュ教育を重視していました。

 

 

演奏行為というものは、どういう風に音を感じるかという音楽性(心)と、それを適えるためのテクニック、即ち身体性によって成り立っていますが、その「心」を育てること、聴き取る「耳」を育てること、楽譜から情報を読み取るための「理論」の理解を深めること、これらがソルフェージュの意義ではないかと私は考えます。

「良い音楽家の特徴は、よく訓練された耳と、よく訓練された知識、よく訓練された心と、よく訓練された手である。これら4つの部分はバランス良く、ともに発達している必要がある。」という言葉をコダーイは残していますが、逆に言えば、「よく訓練された手だけがあっても良い音楽家にはなり得ない。それでは、他の部分はどのようにして育成していく必要があるか?」ということを求めた結果、コダーイはソルフェージュ教育に行き着いたのでしょう。

 

 

また、コダーイ以外にも多くの音楽家がソルフェージュの教育法について思考していますが、それらは共通して「どのように表現をしたいのか」という「心」を育てることを目的として、様々なアプローチ方法があるということを知りました。

 

 

私たちは結局自分が知っている範囲でしか世界を見ることができません。だからこそ、多くのことを知る必要があるのだと思います。仮にも人に何かを教えなければならない立場になった時には、それらはさらに深いレベルで付き纏う問題でもあります。

 

 

ソルフェージュ科の試験勉強を通して、今後、自身が音楽を長く続けていく上で、また後進の育成をしていく立場になるであろう将来のために、私は自身のソルフェージュ能力を更に深めていく必要があると確信しています。

もちろん、音楽はソルフェージュ能力のみに依存するわけでは決してありませんが、少なくとも音楽教育を考える上では重要な位置を占める分野であり、それらについて考えることは自身の音楽生活の豊潤のためにも有意義なことであると感じたため、こちらの記事を公開した次第です。

何でも知れば知るほど奥深いものですが、ソルフェージュも然り。

知れば知るほど「ソルフェージュってこんなもん」って説明ができなくなる分野です。…「ソルフェージュってなんだろう」という疑問を少しでも持ってくれる人が増えますように。

 

 

 

ソルフェージュを専攻しようと思った動機は、また機会があれば。

それでは、今日はこんなところで!

 

 

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